標津の鮭/しべつ船上一本〆

標津町の名物といえば鮭。

北海道でもトップの水揚げと

食の安全にこだわりを持ち、

色々な面で町の中心となっている。

標津の鮭

北海道標津町は根室海峡に面した道東の町。

標津=しべつ、と読む。

町の西側は知床半島から連なる山地があり、

山からいくつもの川が酪農の盛んな東部を通り、

オホーツク海・根室海峡へと流れる。

北海道東部は鮭の名産地として有名だが、

標津町はその中でも水揚げ量がトップ。

秋鮭の水揚げ量は、500万尾を超え、

北海道で水揚げされる鮭の2割に達するほど。

秋には標津川・忠類川を中心に

たくさんの鮭が遡上に戻ってくる。

資源維持のため、春には稚魚の放流も行われる。

回帰率の高さも顕著。

HACCP??

HACCP(ハサップ・ハセップ)

ハザード分析に基づく必須管理点

Hazard Analysis and Critical Control Point

危害要因(ハザード)を科学的に分析し、

それが除去できる工程を決定、

常時管理・実施し、実施した結果を記録する方法。

例としては、食品加工時の加熱時間や保存温度など。

従業員の教育、衛生管理(工場・敷地・施設・設備・器具・作業)、

プロセスとコントロール(原料・成分・製造作業)、倉庫保管と流通、

欠陥の取締基準、リコールプログラム、トレーサビリティー、品質管理、

問題が起きてしまった場合の是正処置などが含まれる。

認証の有無よりも実施することが肝要な、

安全面に特化した管理手法。

標津町地域HACCP導入まで

標津町での秋鮭の漁獲量は、80年代後半から増加。

時期を同じくして海外からの輸入物も増加、

鮭は大衆魚として価格低下していった。

この頃の標津の鮭は、

獲れる量に対し設備や加工処理が追いつかず、

鮮度管理などが出来ていなかった。

当然評価も下がり、

価格も平均より2割3割も低い有様。

町の中心産業への危機感から、

鮮度管理意識の向上が起こり、

質より量から、質も量も、へと転換を図る。

具体的には、漁船の大型化や鮮度保持用氷タンク設置など。

氷タンクは特に筋子・イクラ製造のための

魚卵鮮度に直結するものとして重視された。

鮮度レベルの向上に取り組む中、

1998年に近隣でイクラ製品が

O-157に感染するという問題が発生。

一歩進んだ安全管理が求められるようになる。

食の安全・衛生管理の具体化を目指し行動を開始、

2000年に標津町地域HACCPをスタートさせた。

地域HACCPとは、地域レベルでの一貫安全管理体制のこと。

加工工場や運搬方法などの単体でなく、

獲る前から消費者に出荷するまでの一連の流れを管理。

漁獲・荷捌き・加工・運搬などの工程を分析し、

マニュアルなどを策定・実施。

作業内容だけでなく、それを行う人の健康状態なども含む。

従来から鮮度に対する意識は高く、

設備もある程度揃っていたため、

HACCP導入までスムーズに進むことが出来た。

標津漁業のメインとなる魚種は、鮭とホタテの二つ。

加えて、港の規模が比較的小さいこともあり、

管理項目設定が複雑にならずに済んだ。

一連の工程と管理

漁の前に船を清潔に。

保温のための氷を準備。

船員の健康状態も確認。

船倉への詰め込み過ぎを防ぐため一定量以下に、

保管温度も測定し鮮度を保持。

港へ運んだらスピーディーに選別、

鮮度保持タンクに氷水と一緒に入れ温度・鮮度を管理。

港も清潔に。飛び回るカモメの糞などもしっかり掃除。

床面も殺菌洗浄海水で清掃。

獲れた魚も床置きせず、専用のタンクや箱で管理。

セリにかけられた後は、タンクごと加工工場に。

随時運搬することで鮮度と時間のロスを防ぐ。

工場までは遠くても30分以内。

工場に着いたらマニュアルに基づき加工に入る。

作業内容・温度管理・使用する水・職員の健康状態など、

多くの項目があり、それらは記録・保管される。

加工が終わったら出荷。

運搬中の温度管理も行い、

運搬トラブルもしっかり対応・記録する。

小売店を経て、消費者へと届けられる。

各段階でしっかり記録することで、いざ問題が発生した時に、

どの段階に原因があるのか、対応はどうするべきか、

どうすれば今後防げるか・もっとよくなるか、

といった点がはっきりする。

地域HACCP導入後

標津町地域HACCPを導入・実施したことにより、

TVや雑誌等で紹介されることも多くなり、

標津の鮭は知名度がアップ。

水揚げトップという事に加えて、

安全面も特長として売り出せることは、

販売時の助けにもなり、取引先も従来より拡大。

安全性の高まりは低調だった単価も押し上げるなど、

具体的に数字になり様々な効果として表れた。

HACCP導入時には少なからず

面倒!意味あるの?といった声もあったが、

目に見える効果として表れることで、

関係者の理解もさらに深まることにつながった。

研修など外部からの訪問者も増加し、

生産者としての意識・緊張感が高まる効果も。

水揚げの多さから、価格面での影響力が大きい標津。

問題が起きたときのマイナスもまた大きい。

HACCPは、認証よりも実践・継続が大事。

安全な食品を出荷できるよう、

油断慢心することなく続けて頂きたい。

鮭から広がる町づくり

標津町と鮭のつながりは、

町の特産というだけに留まらず、

鮭を中心とした町づくりが行われている。

鮭なイベント

秋の鮭シーズンには、鮭の無料配布が行われ、

町の一大イベント「しべつあきあじまつり」も開催される。

秋鮭の販売やイクラ丼の提供、鮭のつかみ取りなど

鮭づくしのイベントとして人気。

グルメ屋台の出展やソーラン・太鼓の実演などもある。

忠類川サーモンフィッシング

基本的に鮭は釣りが禁止されているが、

標津町の忠類川はサケ・マス有効利用調査の

対象河川として鮭釣りが許可されている。

忠類川は全国で初めて鮭釣りが許可された川で、

1995年から始まった。

鮭釣りが出来る川は全国でも数少ない。

釣りには事前申込みが必要で、

手法などにもいくつかの制限が設けられる。

サーモンパーク

1991に完成した標津サーモンパークは、

標津サーモン科学館を中心とした施設。

標津川沿いにある。

標津サーモン科学館では、

世界中のサケ科の魚類を展示。

その数は、30種類以上。

サケの博物館として資料も多数。

大水槽では泳ぎ回る色々な鮭を見ることができ、

未成魚・稚魚の水槽もある。

標津近海の魚やクリオネなども展示される。

魚道水槽も見所のひとつ。

標津川から川を引き、ガラス越しに観察できる。

季節により見えるものも変化し、

稚魚の群れや鮭の遡上のほか、

タイミングが合えば産卵行動も見られる。

橋の上から川での遡上観覧も可能。

小川やせせらぎ、産卵池も設けられている。

人工授精、稚魚放流、解剖見学などの体験学習も豊富。

研究も盛んに行われ、学会で成果が発表されることも。

幻の巨大魚として知られるイトウや

キャビアで有名なチョウザメの研究・飼育も行われる。 

レストランとしては標津サーモンハウスが併設され、

鮭を筆頭に様々な料理が楽しめる。

標津川沿いには桜づつみがあり春の散歩・花見に良い。

子供の遊べる広場も設置されている。

標津町のイベントの会場としても使用される。

エコツーリズムへの発展

エコツーリズムとは、

観光の対象を自然環境だけでなく、

地域の文化や歴史などにも広げ、

参加・体験・学習し認識を深めようというもの。

地域の活性化、意識の高まり、

環境や文化の保全、などの効果もある。

秋の鮭遡上見学や

地域HACCPを導入したことで研修の増加、

研究・学習施設としてのサーモン科学館の存在もあり、

標津は体験型観光地へと変化していった。

地元ガイドの育成や体験プログラムも作成され、

港や川の関係者のみならず、宿泊施設や飲食業者とも連携。

研修・修学旅行生の受け入れなどにも積極的。

鮭に始まったエコツーリズム運動は、現在では

海・川から牧場・山林など町全体に広がっている。

体験型プログラムの内容としては、

港での実際の荷揚げ風景の見学、

イクラや新巻鮭などの加工、

鮭など標津の食材を使った料理、

野付半島やポー川の散策ツアー、

根室海峡でのクジラウォッチング、

海釣りや渓流釣り、

酪農体験や山菜採り、

などなど多岐にわたる。

商品・ブランド紹介

秋鮭は標津町の名物として豊富なラインナップ。

鮮魚での出荷のほか、加工品も多数作られている。

筋子・イクラは鮮度と安全にこだわった名物。

特製の味付けで風味の豊かさが堪能できる。

魚の卵つながりでタラコの加工も手がける。

鮭の塩蔵品・山漬けも取り扱う。

標津番屋鮭は、昔ながらの山漬け。

5kg以上の鮭に塩をまぶし、重石をして水分を抜く。

身を返し、塩をかけ直したりもしつつ、2週間ほど塩漬け。

その後、塩水を使い塩抜きを行う。

食べやすくなり、塩漬け時の塩分のバラつきも安定化する。

そして2日間天日干しすることで完成。

塩で漬けることにより旨み成分が増加、

水分が少なくなることで味も凝縮され、保存性もアップ。

標津鮭は、番屋鮭よりも浅めに漬けたもの。

3・4日ほど山漬けにした鮭を一夜干しにする。

水分が抜け、鮭の生臭みも少なくなる。

はらす干し(おなか側)、一夜干し(背中側)、

スモークサーモンや、糠漬け・味噌漬け加工したものも。

伝統の保存食、鮭冬葉(とば)もある。

かっちかちに乾燥された姿は、正に保存食。

一本丸々の長とば、食べやすいスライスとばなど。

おつまみにも加工され、

食べやすいスウィートサーモン、

コショウの利いたペッパー鮭舞(けいぶ)などがある。

安全性にこだわってきた標津の鮭だが、

品質の良さにもこだわったブランド化も進められ、

標津の鮭・標津町として更なる知名度アップを目指す。

「しべつ船上一本〆」

漁船で網が上げられた直後に

鮭を選別し、活〆を行う。

手間はかかるが、鮮度が保たれ、

生臭みも軽減、味もよくなる。

しべつ船上一本〆「波しぶき」

銀毛のオス鮭の中から選別し船上活〆。

ほどよく乗った脂と豊かな風味、

身の締まりの良さと旨さが堪能できる。、

産卵期を前にした、とろける白子も楽しめる。

船上一本〆からのイクラや筋子も。

鮮度の良さを追求した逸品となっている。

関連名物

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外部リンク

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